今回はぶらり旅第2弾!ベートーヴェン博物館をご紹介します。
ベートーヴェンのかつて住んでいた家が、博物館になっているんだよ~!
一見小さな建物ですが、展示はかなりの見応え!ぜひぜひ行ってほしいスポットです♪
バスに乗ってベートーヴェン博物館へ
おとぎ話に出てきそうな可愛らしい町
ベートーヴェン博物館のあるハイリゲンシュタット(Heiligenstadt)は、おとぎ話に出てきそうな可愛らしい町でした。
時の流れが止まったかのような、‟中世のヨーロッパ”感漂う建物が多く残っており、博物館に向かう道中も歩くだけでワクワクしました!
バス停「Armbrustergasse」で下車後、徒歩5分
バス38Aの停留所「Armbrustergasse」で下車し、看板を頼りに歩くと5分ほどで博物館に到着します。
(私は間違えて1つ隣の停留所「Fernsprechamt Heiligenstadt」で下りてしまったのですが、そこからも徒歩10分ほどで着きました!)
入口の前の道路に、大きなト音記号が描かれているので一目瞭然です♪
入場料金・開館時間(2021年9月16日現在)
2021年9月16日現在の入場料金&開館時間は以下の通りです。
《入場料金》
19歳以下…無料 学生・シニア・障がい者・「ウィーンシティカード」保持者・10人以上の団体…€5 一般…€7 *毎月の第一日曜日は全員無料で入場できます!
《開館時間》
火曜~日曜・祝日 10:00~13:00,14:00~18:00
休館日:月曜
※12/24~12/31:開館時間10:00~13:00
1/1, 5/1, 12/25と月曜日に当たる祝日は全て休館
音楽家の暮らした家を探索
ベートーヴェンが実際に暮らしていた住居を博物館にした建物は、6つのエリアに分かれています。
エリア毎に、”komponieren(作曲)”・”verdienen(生計)”・”vermachen(遺産)”などとテーマが設定されており、それに合った内容の展示を観ることができます。
それぞれのエリアがドアで仕切られたアパートの一室になっていて、階段を上ったり下りたりしながら各部屋を番号順に回っていきます。
家の中を探索しているような気分になれて面白かったです♪
展示品を一部ご紹介
五感で楽しむ!工夫の凝らされた展示
ピアノを弾くと…
ただ眺めるだけの展示ではなく、実際に体を動かして五感で楽しめるような工夫も凝らされていました。
入ってすぐのエリアには、小さなピアノの鍵盤が。
ピアノの横に貼られているイラストの指示に従って、指定の鍵盤を同時に押すと、ピアノソナタ第77番ト短調『幻想曲』のメロディーが備え付けのヘッドフォンから流れ始めます。
実際に演奏しているかのような気分を、少しだけ味わうことができました♪
絵画と共に『田園』の音色に浸る
交響曲第6番『田園』の世界観を体験できる展示も面白かったです。
額縁の中には5枚の絵が入っていて、順番に引き出すと『田園』の各楽章が流れます。
それぞれの絵画は各楽章のイメージに合わせたものになっていて、風景を想像しながら音楽を楽しむことができました。
ベートーヴェンはきっとこんな景色を見ながら、もしくは頭に浮かべながら、このメロディーを作曲したんだろうなあと考えながら音色を聴くと、より一層音楽が心に染み入りました。
“聴こえなくなる恐怖”を疑似体験
最も印象的だったのが、ベートーヴェンが苦しめられた“難聴”を体験できる展示です。
設置されていたのは、ヘッドフォンと数字&年号の書かれたピアノの鍵盤。
鍵盤を順番に押していくと、流れるのは同じ曲ですが、徐々にその音量が小さく、聞こえにくくなっていきます。
1・2番辺りではそこまで聞こえにくさは感じませんでしたが、後半になると段階的に音量が小さくなっていき、難聴の進行度合いが明らかでした。
最後の1824年では、ほとんど音が聞こえず、ベートーヴェンの絶望を想像することができました。
耳が命の音楽家にとって、こんなに音が聞こえなくなってしまったのは、ものすごく辛かっただろうな…。
音楽家の人生を知ろう
天才音楽家の苦悩を垣間見る
幼い頃から天才音楽家として名をはせていたベートーヴェンですが、天才ゆえのプレッシャーや苦労を垣間見ることのできる展示がありました。
こんなに何度も書き直した末に、数々の名曲を世に出していたんだと知ると、なんだか親近感と尊敬を抱きました。
考えてみれば当たり前なのですが、試行錯誤と努力の積み重ねの上に「天才」としての揺るがない地位を築いていたんですね…!
音楽家の足跡をたどる
博物館内にはこれまでご紹介したものに加え、ベートーヴェンの作曲した楽譜の原本や、愛用していた杖、暮らしていた家のドアや鏡など、彼の生きた証も数多く展示されていました。
また、生まれ故郷であるドイツの都市・ボンからウィーンへ至るまでの旅の記録や、交流のあった上流階級の人々の紹介などを通して、ベートーヴェンの生涯を学ぶことができます。
最後のエリアには、デスマスクの展示がありました。
最期は肝硬変によって生涯を閉じたベートーヴェン。
現在その亡骸は、フランツ・シューベルトと共にウィーン中央墓地に眠っているそうです。
ちょっとがっかり?知られざるベートーヴェンの素顔
教え子に手を出しがち
展示の中で、ベートーヴェンの愛した女性たちが紹介されていました。
若くて美しい女性ばかりでしたが、説明を読んでみるとベートーヴェンがピアノを教えていた生徒ばかり!
誰もが知る名曲『エリーゼのために』を捧げた相手なのでは?と言われていた(現在この説は否定されているそうです)女性もその中にいましたが、彼女も教え子でした。
教え子に手、出しすぎじゃない?現代なら、社会的にいろいろと言われちゃいそうですね笑
でも、当時ベートーヴェンが女性と出会う機会といったら、ピアノ教室くらいしかなかったのかも…と思うと、受け入れられるような気がします。
かなりのメンヘラ系男子?
女性たちの紹介に並んで、ベートーヴェンが‟不滅の恋人”に送った手紙なども展示されていました。
読んでみると、書いてある内容がとにかく重い!
詩的な言葉で書かれていますが、「君がいなきゃ死ぬ!」という感じ。
当時の人々の愛の伝え方は劇的な言い回しが普通だったのかもしれませんが、現代人の私は正直ドン引きしました!笑(ベートーヴェン好きの方に怒られそう)
この手紙を読んだときは、ベートーヴェン作の交響曲ではなく、西野カナの『会いたくて会いたくて』が頭の中を流れました。
音楽好きも、そうじゃない人も行ってほしい!
ベートーヴェンの曲を聴きたくなること間違いなし!
名曲を五感で体感できたり、ベートーヴェンの息遣いを感じられるような貴重なコレクションがあったりと、充実の展示内容でした!
他にお客さんが誰もおらず貸し切り状態だったこともあり、一つ一つの展示をじっくり観て回ったところ、私は全て観終わるのに2時間くらいかかりました。
クラシック音楽を嗜む方はもちろん、音楽にあまり興味のない方にも、ぜひ一度訪れてほしい博物館です。
遠い存在の異国の超有名音楽家を、今までより少し身近な‟一人の人間”として感じられるようになりますよ!
帰り道に、彼の作った名曲を聴きたくなること間違いなしです♪
マップ・公式サイトURL
ベートーヴェン博物館(Beethoven Museum)の公式サイト(ドイツ語)はこちら!
Beethoven Museum 1190 Wien, Probusgasse 6
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