グラーツひとり旅 思い出し記録 ~その3(完結編)~

オーストリア観光

ユネスコ世界文化遺産!暦と関わりの深いエッゲンベルク城

庭園入場料を払ってお城へ

クンストハウスでモダンアートの不思議な世界に触れた後は、往路とは逆方向のトラムに乗って、エッゲンベルク城(Schloss Eggenberg)を目指しました。

グラーツの主要な観光地のほとんどは、中央駅の東側に集まっているのですが、エッゲンベルク城だけは、駅を挟んで反対の西側に位置しています。

中央駅からエッゲンベルク城までは、トラムに乗って7駅目(乗車時間8分)Baierdorfで下車後、徒歩10分弱

お城は広大な庭園の中にあり、まず庭園に入るために入場料を支払う必要があります。
庭園の入場料は、一人€2門を入ってすぐ左側のチケット窓口で支払い、いざお城を目指して庭園を進みます。

エッゲンベルク城
庭園入り口付近から、望遠レンズで撮ったお気に入りの1枚。紅葉がとても綺麗でした!

ガイドツアーでのみ見学可能!城主の個性が詰まった「豪華な部屋」

今回のお目当ては、お城3階(2.Stock)の通称「豪華な部屋(Prunkräume)」と呼ばれる部屋たちのガイドツアー
3階フロアはガイドツアーでのみ見学可能で、所要時間は約50分ツアーの出発時刻は下記の通りです。

≪ガイドツアー出発時刻≫
4~10月 火~日・祝日 10:00, 11:00, 12:00, 14:00, 15:00, 16:00
※5~9月のみ17:00も開催。
※特別行事などにより、ツアーは中止される場合があります。
※ツアーの詳細や予約など、詳しくは公式Webサイトをご覧ください。

私は11時のツアーに滑り込みで参加しました。
ドイツ語だけでなく、英語のツアーも開催してくれているので安心です。

そして、この豪華な部屋のガイドツアーもまた、グラーツの博物館共通チケットの利用対象内

お土産物屋さんの中にあるカウンターで、24時間券を見せてガイドツアーに参加したい旨を伝えると、今回私が参加するグループの名前と待ち合わせ場所を指示されました。

ぎりぎりで滑り込んだので、私が待ち合わせ場所に到着すると、すぐにツアーがスタートしました。

ガイドツアーの内容を一部ご紹介!

ガイドツアーで回る部屋は全て撮影禁止だったので、残念ながらお見せすることができません…。
でもこのお城、知れば知るほど本当に興味深く、見所満載でした!!

ここでは、ガイドツアーで説明された内容の一部をご紹介します♪

まるで一つの小さな宇宙⁈時間や暦と関係した建築

エッゲンベルク城は、神聖ローマ皇帝フェルディナント2世(1619~1637在位)の重臣だったエッゲンベルクが、17世紀初め頃に建てたお城です。

(フェルディナント2世についてもっと知りたい方は、こちらの記事の「霊廟マウソレウム」の項目をご覧ください♪)

他のお城とは一線を画す最大の特徴は、建物の構造や内装が暦と深く関係しているところ!

どういうことかというと…
外窓の数:365(1年=365日)
門の数:12(1年=12ヶ月)
各フロアの部屋数:31(1ヶ月=31日)
客間の数:24(1日=24時間)
客間の窓の数:52(1年=52週)
などなど…。

さらに、最後に挙げた客間の窓の数に、次項で紹介する「惑星の間」にある8つの窓を足してカウントすると、60(1時間=60分、1分=60秒)になるんです!

こんなユニークなお城、私は他に聞いたことがありません!
宇宙や暦に対する城主の関心が色濃く反映されたつくりで、ガイドさんの説明を聞きながら感動していました笑

こちらも宇宙と暦がテーマ!一番豪華な「惑星の間」

ガイドツアーで訪れた部屋の中で、私が一番感動したのが「惑星の間」と呼ばれる広間 天井画や壁画が豪華絢爛で、一歩入った瞬間に思わず足を止めてしまうような美しさでした。

その美しい天井と壁を彩るのは、神話をモチーフにした7つの絵画。描かれている人物達は、エッゲンベルク家の人々がモデルになっています。

そして、この7つの神話の絵は、それぞれ惑星ないし曜日を表しているんです。

暦や宇宙を連想させる広間まで作り上げた、徹底した城主のこだわりに、またまた大感動でした!

こんなところで日本の歴史に触れられる!「日本の間」

最後にご紹介するのは、日本人として外せない見所である「日本の間」
なぜこんな名前がついているのかというと、豊臣秀吉時代の大阪の街を描いた屏風絵が、壁面を彩っているからなんです。

そしてこの屏風絵、他の西欧のお城にも割とよく見られるような、日本風の内装の壁画とはちょっと格が違います

16世紀の大阪の様子を伝える絵は現在ほとんど残っていないため、当時の街の活気を生き生きと描いたこの屏風絵は、非常に価値の高いものなんだとか!

日本から遥か遠く離れた国の、日本人観光客もそんなにたくさん訪れないような小さな街のお城で、まさか大阪の歴史に触れられるとは!

こんなところにも、日本の歴史を伝える重要な史料が残っているなんて、とても面白いですよね!

日本の文化がオーストリアの城主の心を捉えていたのかと思うと、日本人としてなんだか誇らしく思いました笑

2階(1.Stock)には美術館や博物館も

感動と驚きの連続だったガイドツアー終了後は、一つ下の階にあるギャラリーと博物館を見学しました。

お城の2階(1.Stock)には、宗教画やヨーロッパの絵画が展示してあるアルテ・ギャラリー(Alte Galerie)や、無数のコインが展示してある博物館など、小さめなミュージアムが3つあります。

アルテ・ギャラリー
ヨーロッパの絵画が展示されているアルテ・ギャラリー。ブリューゲルなど有名画家の絵もあります。
コインミュージアム
無数のコインが展示されている博物館。古代の銅貨からマリア・テレジア時代の金貨まで、様々なコインを見ることができます。

これらの美術館・博物館は、小さめとはいえ意外と所蔵品が多かったので、じっくり見学したい場合は、全て合わせて1時間程かかるかもしれません。

私はお腹が空きすぎていたのと、帰りの電車の時間が迫っていたのとで、やむを得ずぱぱーっと見て外に出てしまいました(^^;

エッゲンベルク城の基本情報

住所:Eggenberger Allee 90, 8020 Graz
見学可能時間:
・豪華な部屋のガイドツアー
 4月1日~10月30日 火~日・祝日 10時, 11時, 12時, 14時, 15時, 16時
(5~9月のみ17時も開催)
・庭園
 3月15日~10月31日 毎日8:00~19:00
 11月1日~3月14日 毎日8:00~17:00
・アルテ・ギャラリー、考古学博物館、コイン博物館
 4月1日~10月30日 火~日・祝日 10:00~18:00
 11月1日~12月18日 事前予約制のガイドツアーでのみ見学可能

※見学可能時間は、2022年の情報です。
※特別行事などにより、見学可能時間は変更される可能性があります。詳しくは公式Webサイト(ドイツ語・英語)をご確認ください。

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